心境

 2か月も間が空いてしまいました。SNSどころではなかった本職の忙しさもともかくながら、10年前に私が直面した「避けられぬ家族との別れ」に、職域でよく知る人が直面せざるを得なくなる事態となったことは、他人様の家のこととはいえ、やはり私の心にもいろいろと影響がありました。
 己の心境をより素直に投影できる方法はと、気持ち的に描き進められるような状況でなかった間にもいろいろ考え、絵柄など基本的なところが今更変わるような歳でもございませんが、「童夢」より前の大友克洋作品など参考に、場面にもっとベタを積極的に使えるようにしたいなと思っております。
 基礎的な描くセンスと技術が共にない故に、色と陰影を白黒2値に落とし込むのがどうも不得手でして、これまでは描き込みとトーンに走っておりましたが、足を止めて考えてみると、どうも十分に納得できるところではありませんでした。
 また古い漫画や戦前の絵雑誌類などあれこれ目を通しておりましたら、現代漫画スタンダードのアンチゴチ混植は所詮子供向けの組版だなあと思いましたのでこの組み方をすっぱり止めることにし、改めて往年の貸本劇画よろしく明朝体で揃えることにしました。
 昔の暮しの手帖の活版組ページが使っていた岩田母型の活字書体もよいなと思いを巡らしたりしましたが、同誌で魅力を学んだ「四号明朝かな」や「初号明朝かな」も使える現代のフォントラインナップとなると、やはり大日本印刷か、と思い直したところです。
 こんな調子なので夏を目指していた単行本も雲行き怪しくなりつつありますし、こんなペースでは愛想も尽かされようものですが、何より自分の心境に真正面に向かい合ったものを描きたいがのみにございます。