四月はいちばん残酷な月

 持ち場が山間部ですので今月は半ばから一気に若い緑色が吹き出し、そのあまりにビビッドな緑が老眼進む目にきつく感じました。
 若かりしころは、特に在道中は春の訪れが最も好きでしたが、「終わり」を実感する今となっては、その万物萌え出づる「生」の季節に心がとても追いつきません。齢重ねて詩人エリオットの有名な一節「April is the cruellest month」のことばが何となく意に沿うようになりました。
 あのころの「生」ある人々による日々の出来事は瞬く間に眼前から消え、ことごとく遠い過去となってしまいましたから。いまの「生」もまた然りでございます。