あの頃の夏と

 ちょうど40年前の夏は9月7日昼過ぎの校庭で、暑い風の中に含まれる一筋二筋の涼しい風に「おや」と思ったことを覚えています。それから何日かすると、みるみるうちに夏の暑さが嘘のように引いていきました。
 でももうそんな「平凡な夏」は二度と来ますまい。
 各種論調を読むにことしの夏は、野放図な大量生産大量消費を何十年と繰り返してきた結果が、この20年ほど掲げられた多少のお為ごかし程度ではどうにも回避できなさそうだと、人類が白旗を揚げはじめた夏のようにも感じます。
 その目に見えぬ苛立ちを巧妙に利用するのもまた人間、それらがこの先10年20年、人類自身の築き上げたものをどれだけ破壊していくのだろうのか、と思わざるを得ません。
 あの頃面白がって読んでいた星新一『おーいでてこーい』のラストの先に。