漫画「思春期」

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 久々にペン入れ作業を行い、先日往事を思い出しながら思いつくままコピー用紙に殴り描いた落書き漫画を「ぷち」にしました。
 いま振り返れば、思春期の時代というのは、すなわちリアルな娑婆の世界と「サシで向かい合う時代」の幕開けともいえるのでしょうね。
 そして、自分のこれまでの経験から想像してきたものと現実との落差に直面し、戸惑いと試行錯誤を繰り返す日々が始まります。
 80年代の漫画やアニメをいま振り返ると、当時のクリエイターの若者たちが、SFとかラブコメとかロボットものとかに仮託して、「シャバの世界」を「自分の手の届きそうな世界」として再構築し納得しようともがいていたんだなと感じます。そして読者視聴者も、それを求めて読んだり見たりしていたのだろうと。
 もっとも流石に齢を重ねれば私ごときでもそれなりに口八丁手八丁、予想外の事態に戸惑うことは少なくなりましたが、それでも娑婆の新しい状況と都度サシで向かい合うという日々だけは、あの時代以来、きょうもまったく変わりません。
80年代の「第一次アニメブーム」というのは、シャバに向かい合う時期を迎えた当時の若者たちが、自分たちでも解釈でき、手が届くような「ぼくの考えたシャバ」を積み重ねたものだったように思います。
 もっともこのムーブメントは80年代に限ったことでもなく若者に限ったことでもなく、いつの世の創作もそうなのでしょう。ただ80年代からしばらくの間は、長いモラトリアム期間が多くの若者に許された世情がありましたから、特に規模が大きくなったのではないかと想像します。
 ただこれからは果たして。モラトリアムを決め込める層は確実に減り、1960年代以前のように、中高時代からシャバで食いっぱぐれない方法をマジメに考えざるを得ない時代が再び到来していることを、高校生を抱える元同僚と話をしながら感じました。それが今回の「ぷち」の出発点です。(Дек. 2023 г.)